懐かしさの中にあってなお解像度の高い記憶のイメージ。
それをまるで昨日の出来事のように描き出す独特の歌声と旋律こそ、この「悠々列車」が悠々たる所以ではなかろうか。ゆっくりと、しかし確実に場がれる時の間に、いつしか忘れてしまっていたあの匂い、色、想い・・・。四国は伊予のローカル線の窓から覗く暑い夏の情景を色鮮やかに。
彼女の持ち味である、自由で柔軟な発想と行動は、時としてあまりにも奔放で、無茶をした後のバツの悪い顔をする悪戯っ子としか表現し得ない。その独創性と開放感がアーティストとしての魅力であり、「悠々列車」の最大の魅力なのである。
また、私企業としての文化発信基地、(有)スーパーワールドクラブの主催者としての32年間に渡る英語教育と留学という選択肢を骨子とした活動は、言語的な視点だけに囚われない国際日本人としての本来のあり方を、英語圏の文化と価値観を通じて子供達と共に感じ考えてきた。その豊かな経験と情感は、今また声高に叫ばれる地球標準の人間の本質に迫る根本的なやさしさ=強さの輪郭を、生まれ育った土地、日本を基準に「悠々列車」の詞として確立させた。人間の根本的な弱さを日常の在る感情の一つとして扱う事で、人間性をより深めた。新世紀の日本人のどこか空虚な心に潤いをもたらす母親のような楽曲であるとも言い得るだろう。
仕事と音楽活動のかたわら、カナダのUniversity of British Columbia のAccess Study生としてpsychologyを研究後、2012年6月よりアメリカの大学院に進む。 |